任意整理とは債務整理手続の一種で、借金の利息をカットしてもらったり返済期間を引き延ばしたりして毎月の返済額を減らし、数年間の長期弁済により完済する制度です。返済期間は多くの場合で、3年から6、7年程度になります。
任意整理手続きは裁判所を介さず、直接債権者と交渉して和解契約を結ぶことになりますが、ご自身で手続きを執ることが不安な場合は弁護士に依頼して進めてもらうといいでしょう。
債務整理には任意整理手続き、自己破産、個人再生と3種類の手続きがありますが、そのうち任意整理は唯一裁判所を介さず簡易にできる手続きで、早期に解決したい場合はお勧めの手続きです。
任意整理の特徴
任意整理の特徴をあげると以下のとおりです。
- 自己破産や個人再生で求められる裁判所への提出資料を省くことができるため、負担感を軽減できます。
弁護士事務所に来てもらうのは最初の1回でその後は電話やメール等のやり取りで進めることができます。
- 任意整理は対象とする債権者を自分で選ぶことができるため、一部の債権者を除外して手続きをすることも可能です。
例えば、自動車ローンを組んでいる場合はその債権者を除外するなど、資産を守りつつ債務整理をすることができます
- 任意整理の場合、借金をした原因を問われることはありませんので、パチンコ、競馬、競艇、カジノ等のギャンブルで借金を作っても関係ありません。
任意整理を利用するためには条件があります
任意整理は数年間かけて元金を返済していく手続きのため、返済するための原資を準備する必要があります。したがって、安定した収入があることが望まれます。任意整理手続きに入ると弁護士から債権者に受任通知を送付するので債権者からの取り立てが止まり、支払いもいったんストップします。
この間に生活を立て直し家計を見直して任意整理による支払いの開始に備えることができます。
任意整理のデメリットとは
任意整理は債務の元金は基本的には減りませんから、元金は返済していく必要があります。元金に対して収入が少ない場合は、自己破産や個人再生をする必要があります。
任意整理をすると信用情報機関、いわゆるブラックリストに登録されてしまうため、将来にわたり数年間の間ローンを組んだり新しいクレジットカードをつくることができなくなってしまいます。
債権者との取引期間が極端に短い場合や、借金の支払い金額が少ない場合、債権者によっては5%から10%程度の将来利息を求めてくる場合があります。
では任意整理すべき場合とはどのような場合でしょうか。任意整理をお勧めする場合を紹介します。
- 借金の返済を借金によって賄っている方
- いくら借金を返済しても借金が減らない方
- 借金の金額が年収の3分の1を超えた方
- 住宅ローンを組んでいる方
支払いの遅れが一定を超えると債権者から裁判を起こされ、給与や預金の差し押さえをされる恐れがあります。給与が差し押さえを受けた後だと任意整理が難しくなることもありますので、そうなる前に早めの対処が肝心です。