任意整理の流れと期間

任意整理とは債務整理手続の一種で、借金の利息をカットしてもらったり返済期間を引き延ばしたりして毎月の返済額を減らし、数年間の長期弁済により完済する制度です。返済期間は多くの場合で、3年から6、7年程度になります。ここでは任意整理にかかる期間と任意整理の流れについて解説します。

相談、面談の予約

任意整理は一般的には弁護士等の専門家に依頼して進めることが多く、まずは弁護士に相談の予約をすることをおすすめします。司法書士に相談することも考えられますが、相談の結果、自己破産や個人再生進めていく場合、弁護士であれば自己破産等の裁判所を介した手続きにも精通しているため二度手間にならずスムーズに進めることができます。

相談~契約(受任)

相談日の当日には債権者からの督促状等の資料や、借入先や金額等の情報を記載したメモ、認め印等を持参しましょう。進め方や弁護士費用の説明を受けて納得できるのであれば委任状を作成し、正式に委任契約を結びます。

債権者に受任通知送付

受任した弁護士がまず行うのは債権者に受任通知を送付することです。受任通知は債権者に依頼者が任意整理等の債務整理を依頼したこと、弁護士が間に介入することを通知する文書です。これにより債権者からの督促がストップします。

受任通知送付後は債権者への支払いもいったんストップすることになるので、この間に弁護士費用を積み立てたり、生活を再建することができます。

取引履歴の開示

受任通知の送付と同時に債権者に取引履歴の開示を依頼します。開示の依頼を受けた債権者は依頼者と債権者との間での当初の契約から最後の契約や返済に至るまでのすべての履歴を開示します。

取引履歴の開示にかかる期間は2週間~1か月程度かかることが多く、債権者によっては2カ月以上かかる業者も存在します。

取引履歴の開示を受けると、弁護士側で利息制限法に基づき引き直し計算をします。これにより過払い金があることが判明した場合は過払い金の回収手続きに入ります。

利息制限法による上限利率

  • 債権額が10万円未満…年率20%
  • 債権額が10万円以上100万円未満…年率18%
  • 債権額が100万円以上…年率15%

これらの上限利率を超える利息を支払っていた場合、過払い金が発生している可能性が高くなります。

返済計画の作成

引き直し計算により債権者への債務残高が確定すると、確定した債務残高に基づき返済計画を策定します。返済計画は、依頼者の毎月の債権者の支払いに回せる返済原資を考慮して作成しますが、3年から5年ほどの分割払いとなることがほとんどです。策定した返済計画に基づき債権者と交渉します。

和解協議

弁護士が債権者と任意整理のための協議をします。毎月の支払金額や支払い回数等が折り合いがつけば債権者と交渉が成立なります。

債権者は依頼者とのこれまでの取り引き期間、支払状況、依頼者の収入、他社も含めての債務総額、支払いに回せる返済原資等の情報を総合的に判断して交渉に当たります。

これまでの取り引きが長期に及ぶ場合は債権者も60回を超える長期間の分割に応じることもありますが、多くの場合は60回までで解決することがほとんどです。

和解契約締結

任意整理がまとまると正式な和解契約書を交わします。これにより、返済開始月や返済回数、返済金額等が確定します。

返済スタート

和解契約を締結したらいよいよ支払いのスタートです。和解契約の内容通りに支払いを続けて完済すれば任意整理の完了となります。

返済の開始月は和解契約を締結した月の翌月か翌々月というのが多いです。返済については依頼者がご自身で債権者の指定する口座に振り込む方法が一般的ですが、弁護士に毎月の弁済原資を振込み支払いを管理してもらう方法もあります。

任意整理の受任通知送付から和解契約の締結まで最短でも3か月程度はかかることが一般的です。弁護士費用を分割で支払う場合は弁護士費用の積み立て完了後に和解契約を締結することになるため、積立期間がプラスされることになります。

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