自己破産は、裁判所の手続きを通じでカード会社等の借金を帳消しにしてゼロにする方法です。自己破産した場合は、原則として借金はゼロになります。
自己破産というと所有している財産をすべて売却して配当に回さなければならない、自宅を追い出されてしまう、勤務先に自己破産がばれてしまうなど、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
自己破産とは借金苦に陥った債務者の借金をゼロにして経済的再生の機会を与えるという日本の法律で認められた制度です。きちんと自己破産の制度を理解して再生の機会を逃さないようにしてください。
① 自己破産をしたほうがいい人
借金額に対して所得が少ない人
自転車操業・多重債務の状態で毎月債務を弁済しても借金が減らず、他の金融機関から借り入れを繰り返し、借金が雪だるま式に増えてしまっている方など、返済可能金額以上に借金が膨らんでいる方はまずこの自己破産を検討すべきです。
どの程度の借金があれば自己破産可能かどうかというのは法律上に明記されていません。一般的に支払い不能状態の場合は自己破産に適した状態といえます。
支払い不能かどうかはその人の借金額や収入、資産状況、家族構成など踏まえて個別に判断するしかありませんが、一つの目安としては以下の基準を用いることがあります。
支払不能か否かの基準として、毎月の収入から住宅費を控除した金額の約30%の金額に36回を掛けて算出した金額が債務総額より低い場合は支払不能といえるでしょう。
自宅が賃貸の方
自己破産の場合は、住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、自宅も売却する必要があるため、自宅を手元に残したまま自己破産することはできません。自宅を残したまま借金を整理する方法としては、任意整理や個人再生を検討すべきです。
一方、自宅が賃貸の方は、自己破産を理由に賃貸借契約を解除されることはありません。ただし、家賃の滞納をしてしまっている場合、通常2か月から3か月以上の滞納があると家賃滞納を理由に退去を求められることがありますので注意してください。
② 自己破産のメリット
給与の差し押さえがストップする
ローンを滞納していると債権者から訴訟を提起され給与の差し押さえを受けることがあります。給与差押を受けると、給与の4分の1が会社から債権者へ直接支払われるため生活が苦しくなる方もいるでしょう。
自己破産の申し立てをして、裁判所に差し押さえの中止を求める申し出を行えば給与を全額受領することができます。破産管財人がつかない同時廃止事件の場合は、免責許可決定を受けるまでは差し押さえの対象の給与が勤務先にプールされることになります。
経験上破産申し立てをして破産手続き開始決定を受けたことを伝えると、給与の差し押さえを取り下げてくれる債権者も多く、給与の差し押さえを受けた場合は早期に自己破産の手続きを取るのがいいでしょう。
財産の一部は残すことができる
自己破産をしたとしてもすべての預貯金等を配当に回す必要はなく、基本的には20万円以下の資産は手元に残すことができます。預貯金については50万円以下であれば自動車についても
③ 自己破産のデメリット
- 一定額以上の資産を失ってしまう
- 一定の職業制限がある
- 官報に掲載される